おばさんガール
また頭痛が、三津代を襲った。

「あの…少し気分が悪いので、すみませんが一人にさせて下さい。

お話は後で…きちんとしますから。」


三津代は少しでも、柴田から離れたかった。

「あ、はい。無理させてごめんなさい。

でも私はあなたの味方ですから。ね、三津代さん!!」


柴田はそう言い残して、病室を出た。

上履き用サンダルの先から、穴のあいた靴下が覗いていた。


三津代はあまりのショックに、無意識に泣いていた。

小林君の顔が浮かぶ。


小林君に会いたい…。


大人の私は、本当に可哀想な事になってる。



…柴田さんに借金があるなんて。最悪だよ。

私相当お金に困っていたのかな。


一体、どんな生活をしていたんだろうか。


三津代は考えた末に思い立ち、ナースコールを押した。


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