おばさんガール
二日後。


ミオちゃんが病室に来た。

「ねぇ、三津代ちゃん!わかったよ!!な…」


三津代は慌ててミオちゃんの口に手をやった。


「シィ―ッ。ミオちゃん声でかい。どうかご内密に…」
焦ったら変な敬語になった。

「ごめんごめん!でもご内密って…何それ、三津代ちゃん。」

三津代は声を潜めて言った。
「いや、なんかその。

意味はないよ。

それより…」


ミオちゃんも声を潜めた。

「うん、それがね。

なつめちゃん、お母さんなんかいないって言ってたらしい。

今施設で生活しているみたい。」
三津代の表情が曇った。

「…そう。」


「でもね。なつめちゃんの友達に聞いたら三津代ちゃんのこと、わかってたの。
そのコ、なつめちゃんちに遊びに行ったことあって…
優しいお母さんだったよって、言ってたって。

だけどなつめちゃんはそのことを話したがらないみたいなの。」


三津代の目には、涙が溜まっていた。


「なつめ…。」


自分の記憶じゃないのに、急に胸が苦しくなった。


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