おばさんガール
「え?どういうことですか?!」
柴田は声を上ずらせて言った。


「ですから…

加藤さんは、記憶障害の可能性があります。」

医師はそう告げた。

柴田はフリーズした。額を冷たい汗がつたう。


「記憶障害って、ドラマとかによくあるような、記憶が無くなるってやつですか??」


「…まぁ、そういう感じでしょうか。しかし」

医者は書類のようなものを見ながら、難しい顔で続けた。

「加藤さんは先ほど、自分の名前を岸と名乗りました。」

「…はい、確かに。」

確かにそう言った。おかしいとは思った。

「その岸とゆう名前は、


加藤さんの旧姓のようです。」

柴田は2度目のフリーズをした。


「何でいきなり旧姓を…


記憶障害って…頭がボケちゃったって事ですか?」

柴田はおろおろと慌て出した。

「いえ…あの、これは推測でしかないのですが、

加藤さんは、記憶が過去に遡ってる可能性があります。」


「過去に?!」

医師は深刻そうな顔で続ける。


「はい。実は…」

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