私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
時刻は二十三時。

今夜は帰れないな――。

そんなことを思いながら、ちらりと窓の外を見ると、都会の夜景が綺麗に瞬いているのが見える。

俺が本来、席を置いている人材開発部のオフィスには、もうほとんど人が残っていない。

残業ついでに会社のパソコンで何気なく、とあるサイトを開く。兄がこの会社と契約を切ってから随分と経つし、いまさら興味もなかった。そんな時、ふと、一ノ宮コーポレーションの書き込みを目にした。

ん……? 悪徳不動産ランキング――?

――裏社会の人間と手を組んで、違法すれすれの地上げ交渉を無理やりしている。

――地上げ反対の署名を無視した強引なやり口。

そのサイトに書き込みしてあったのは、すべて一ノ宮コーポレーションの悪い噂ばかりだった。

ふぅん、一ノ宮コーポレーション……ね――。
< 278 / 294 >

この作品をシェア

pagetop