私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
「水谷、すまないが、この一ノ宮コーポレーションについて、片っ端から全部調べ上げてくれ」

「わかりました」

一ノ宮コーポレーションの簡単な情報を記載した書類を水谷に手渡すと、彼は文句も言わずに承知してくれた。

水谷は俺の秘書であり、人材開発部の主任だ。親父の同級生の息子で、俺と同じ年。学生時代から付き合いがある昔からの馴染みだ。副社長だろうが主任だろうが、分け隔てなく気の置けない男だが、年の割に落ち着いていて、すかした態度がたまに鼻につく。

しかし頭の切れる敏腕というのは否定できない。そして、仕事の早い水谷は、たった二日で一ノ宮コーポレーションについて、探偵でも雇ったのかと思うくらい、事細かに調べ上げてきた。

俺はその会社を調べていく間に、とんでもない事実を知った。
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