私、それでもあなたが好きなんです!~悩みの種は好きな人~
よく行く近所のコンビニで買ったパスタを夕食に食べ、いつものように食後のコーヒーを飲みながら自宅でまったりする。

仕事が決まらずにウジウジとしていた日々とはもうおさらばだ。時計を見ると夜の八時。いつもなら必死でネットや求人誌を見ながら仕事を探している時間だ。けれど、もうその必要はない。

いい加減部屋の片付けでもしよう――。

新しく仕事を始める前に身の回りを綺麗にしておきたい。私は部屋の隅に放置してある段ボールをごそごそと開いた。

引っ越す前に捨てるものはすべて捨てた。後はこの段ボールの中身を部屋に配置していくだけだ。はじめに出てきたのはコーヒー豆に関する本や、コーヒーを美味しく淹れるコツなどの知識本だった。それを手にとってパラパラと見ると、これからの生活に胸が膨らんでいった。

バイトさんも他にいるみたいだったけど、どんな人たちかなぁ――。

楽しく仕事ができるといいんだけど――。

とにかく楽しみ! 気合い入れていかなきゃ――。

うん、とひとり頷いて、本をしまおうとした時だった。ページの隙間からなにかひらりと落ちた。

これは……写真――?
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