あの隙間から見上げた空
「あの、サエコさんは・・・。」
「サエコさん、仕事っす。」

「荷物はココにあるだけっすか?」
「ああ、ハイ・・・。」
「すぐ運び終わりますんで。」
「あ、はい。」

・・・。

男の人たちは黙々と荷物を運んでいく。
あたし、立ってるだけなんですけど・・・。
何かした方がいいのかな、
でもあたしが間にはいっても
この人たちの邪魔にしかならないような気がする。


やきもきしているうちに
荷物は全部軽トラの荷台に収まってしまった。

がたいのいい男達と一緒に車にのって
新しい家に着く。

ああ、もっとさわやかな始まりがよかったな・・・。
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