【短】コンソメスープが重たくて


「お願いします!」



 再び言われて、石のように固まっていた蓋が割れ、恋心がやっと動き出す。


 重い女と傷つけられた心が癒されていく感覚。


 終わりに訪れた始まり。
 料理が繋いだ恋心。


 重いと言われたコンソメスープは、彼には美味しくて温かいものだった。
 彼女は手料理で笑顔になる彼の顔を見るのが好きだった。


 嘘ではない。優しい彼の真っ直ぐな気持ち。


 何よりもコンソメスープが好きだと言ってくれたことが嬉しい。
 溶け出した心があっという間に動き出す。

< 23 / 24 >

この作品をシェア

pagetop