【短】コンソメスープが重たくて

 そんな瑠美の生きがいは、やはり料理。
 趣味として作っていた瑠美だが、それだけでは物足りなくなった。


 そこでブログを始める。
 作った数だけブログを更新。写真と一緒にレシピを載せる。


 瑠美にとっては自分のためにしているただの日記。


 しかし、それが続けていくうちに閲覧人数が増え、コメントも書き込まれるようになった。


 顔のわからない、誰かもわからない人物からのコメントに瑠美は喜んだ。


 異性に凝った料理を作ると重すぎると言われるが、ブログでは違う。



『すごい!』

『美味しそう!』

『他のレシピも期待してます!』



 そんな称賛の声が癖になる。
 辞められないほどに楽しかった。作った分だけ褒めてもらえるなんて、現実ではなかったのだから。

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