sugar、sugar、lip
最低な彼と最高な彼
……今日はヤな日だった。



いつもよりちょっと早めに家を出た。


ゆっくり通学路を歩いてたら……見ちゃった……。




……善くんとあの地味な女の子が仲良さそうに並んで歩いてるところを……。



思わず電柱に隠れた自分が虚しかった……。



善くん、穏やかに笑ってた。



あんな安心した笑顔、見たことない……。



悔しいけど、隣の大人しそうな彼女のおかげなんだ……。




そう思ったら、視界がちょっと滲んだ。


はぁ……。


やってらんない……。



他人の幸せなんて……しょーもない。



「……何やってんの? ストーキング? 怖ッ」



ついでにしょーもないヤツに見つかったし……。



……何でよりによってコイツに会うわけ?


「……おはよう、米倉くん。話しかけないでくれる?」


作れるだけ自然な作り笑顔で彼に挨拶してやる。



「キモかったから……つい」


めっちゃ良い笑顔で言うなよ……最低男め……。


「……馬鹿らしい。小学生並だよ。これ」


自分で自分たちのやりとりに呆れてしまった……。


ホント、朝から馬鹿らしい……。


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