悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
「やっと花を開いてくれたね。大丈夫だよ。俺もオリビアを求めている。美しく純粋な君が愛おしい」

「わ、わたくしは、そのような娘ではありませんわ。レオン様の方がーー」

「俺の目にはそう映っているよ。君はいつも俺が清らかだと言うけれど、そうじゃない。もっと触れ合って、君の心も唇も全てを俺のものにしたいと企む悪い男だよ」


男らしくも繊細な指先が私の顎をすくい、再び唇が重ねられた。

鼓動がどこまでも速度を上げる中で、私を想う彼の気持ちに喜ぶ余裕はなかった。

恥ずかしさや戸惑い、恋に溺れてしまいそうな心を戒めようとする感情が働いて、心の中は慌ただしい。


まだ早いと拒否したほうがいいのかしら?と思いつつ、固く目を閉じて口を引き結んでいたら、唇を触れ合わせたままに彼が囁いた。


「オリビア、怖がらないで受け入れるんだ。俺を君の中へ入れて」


私の緊張をほぐそうとして、優しく撫でるように触れる彼の唇。

拒むべきか受け入れるべきかを葛藤しながらも、わずかに唇を開いたら、柔らかな舌先が強引に侵入してきた。


舌先で上顎を撫でられ、ゾクゾクと肌が粟立つ。

舌を絡め取られ、ダンスを踊るように交えて弄ばれていると、子宮の奥が熱くなり、身悶えしたくなるような快感が押し寄せてきた。

合わせた唇の隙間から漏れるのは、こらえきれない私の甘い声。


ああ……拒むことなどできないわ。
心が喜んで、全てを彼に委ねてしまいたくなる。

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