悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
『私を諦めるつもりはない』とレオン様がきっぱり言ってくれたことは、とても嬉しくホッと胸を撫で下ろす心持ちでいる。

けれども今度は、別の心配事が湧き上がった。

王妃とレオン様の間に、溝が生まれてしまったわ。

親子の仲が険悪なものになったら、どうしよう……。


辺境伯領にいる、母の顔を思い浮かべていた。

母と仲違いすることを自分の身に置き換えて考えたら、胸が苦しくなる。

薄汚い貴族社会において、信用できるのは家族だけ。家族の絆はなにより大切だと父に教えられて育った。

それはレオン様たち王族にも当てはまることで、私が親子の絆を断ち切ってしまうのではないかと心配し、申し訳ない気持ちになる。


アマーリアの髪を撫でてから、壊さないようにそっと胸に抱きしめる。

そうしたら少しだけ心の靄が晴れる気がして、鼓動は速度を緩め、落ち着きが戻ってきた。


「不安がっていてもなにも変わらないわよね。自分にできることを見つけるから、あなたは応援してちょうだい」


子供の頃からなにか不安があれば、いつもこうしてアマーリアに話しかけ、抱きしめていた。

親友に助けられて、私は静かに考えの中に沈む。

王妃に認めてもらうには、なにをすればいいかしら……。



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