悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
それから五日が過ぎた夜のこと。
寝間着に着替えた私がベッドに入ろうとしたとき、ドアがノックされた。
時刻は二十三時。こんな夜中にいったい誰だろうと身構えたら、「オリビア様、お届け物にございます」と若い女性の声がした。
その声には聞き覚えがある。
私の沐浴や着替えを手伝ってくれるメイドは数人いて、その中のひとりだ。
警戒を解き、ガウンを羽織ってドアを開けたら、眉をハの字に下げたメイドが小包を持っていた。
「夜分に大変申し訳ございません。実は、夕方に届いていた荷物を仕分けする者が、ひとつ残っていたと、つい先ほど私のところへ来たものですから……」
どうやら仕分け担当者のミスにより、こんな夜中に荷物が届けられたみたい。
朝まで待たなかったのは、【至急】という判が荷札に押されているからだろう。
メイドが悪いわけではないので、「ありがとう。大変だったわね」と声をかけ、駄賃としてその手に銀貨を一枚握らせてあげた。
それで機嫌をよくしたメイドは退室し、ドアを施錠した私はベッドサイドのランプの火を強める。
小包は私の膝にちょうどのる大きさで、片手で持てるほどに軽い。
ベッドの縁に腰掛けて、荷札を確かめれば、送り主の名は母だった。