悪役令嬢の華麗なる王宮物語~ヤられる前にヤるのが仁義です~
「まだそんなことを言っているの? オリビアだけは許さないと言ったでしょう!」

「オリビアは教養があり嗜み深く、家柄も申し分ない。許さない理由が俺にはわかりません。親同士の私怨はやめていただきたい」


冷静に、しかしいつもより声を低くして不機嫌そうに反論したレオン様に、「まぁ、私怨ですって!?」とさらに目をつり上げた王妃は、声高に非難の言葉をぶつける。


「その娘の母親は、今は辺境伯を名乗っていても、卑しい生まれ育ちをしているのよ。オルドリッジ公爵の本当の娘なのかも怪しいわ。あの女の娘を王室に迎えるなんて、とんでもないことよ」


なんてことを言うのよ……。

身を隠すようにしていた母が、父と出会うまでは貧しい暮らしをしていたのは本当だけど、苦労の末に家を再興して領地を奪還した、強く立派な女性だ。

褒められて然るべきで、侮辱されるいわれはない。

私が父の子でないかもしれないという疑いについても、どうしてそのようなひどい考えに及ぶのか。

私の特徴的な琥珀色の瞳は父譲りで、真の親子であることは明白だ。

母に不貞の濡れ衣を着せるなんて、許せないわ……。


やはり私には清らかな心を持つのは無理なのだろう。

怒りがふつふつと湧き上がり、王妃をやり込めたい気持ちになる。

私に嫌味ばかりを言うあなたの方こそ、心の卑しい女だと、罵りたくて仕方ない。
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