Blizzard Love
ユキ、冬の街に降り立つ
ユキは公園のベンチに腰掛けていた。

地面にはうっすらと雪が積もり、寒さからか公園で遊んでいる子供の姿は少ない。

ユキ自身も厚手のダッフルコートにブーツ、マフラー、手袋で完全武装し寒さ対策は万全だ。

腕時計を見るともうそろそろ夕方の四時を過ぎる頃。

この季節の日が暮れるのは早い。

けど、夜になるのを待っていた身としては願ったり叶ったり。

目的は・・

ポケットの中からそれを取り出して見やった。

パスケースだ。

けれど、それはユキのものではない。

はぁと吐く息が白く染まる。

けれど、頬は間違いなく紅潮していた。

ユキはすっくと立ちあがり、よし!と声を上げた。

パスケースに入っていた名刺はすでに確認済。

今から、そこに向かう。
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