覇王と女官の恋~囚われの花嫁~
皇后の催しが始まった。
民族の踊りや、歌、書道など様々な
演目があった。

最後は杏の踊りだった。

(緊張する)

皇后と皇帝は前に座っていた。
春麗は皇后の隣にいる。

(頑張ろう!!)

気合いをいれ、音楽と共に踊り
を始めた。

=========================

「春麗と雪蘭、杏に昇進を命ずる。
 春麗は2品女官、雪蘭は5品女官
 杏は3品女官とする」

「ありがたき幸せです」

1位女官どころか3品女官まで
身分があがった。

「杏は残れ」

「はい、浩然様」

2人は皇帝堂から出ていった。

「そなたの顔が見たかった。
 なんと綺麗な」

皇后は笑顔で言う。

「滅相もございません」

「私との約束を覚えているな」

皇帝はうっすら笑っているが
目が笑っていない。

(はいと言わせたいんだ)

杏はそう思った。


「はい、覚えております。
 しかし、私は皇帝と結婚は
 できません」

「何故だ?!」

皇帝と皇后は一斉に質問した。

「私の家計は裕福ではないのです。
 だから私は王宮にきました。
 だからーー」

続きを言おうとしたその時

「そなたは俺の事が嫌いになったか。
 そんなこと許さない。来い!!」

浩然は杏の腕を引っ張り自分の部屋に
連れていった。
 
< 33 / 44 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop