白のアリア
白い悪魔
「アリア姫、城下は楽しかったですか?
なかなかいい街だと思いますが」

 アリアはイライラしてアルバートにこう答える。

「寒かった」

 お前はそれしかないのか!
 周りは相変わらずのアリアの答えに、突っ込む。

 アルバートは話を続ける。

「クルスはどうですか?あれでいて
なかなかいい弟だと思いますが」

 アリアは再び昼の出来事を思い出して、フォークをグニャグニャに曲げてやりたくなった。

「白い悪魔……」

 アリアがそう口にすると、今まで賑やかだった夕食の風景ががらりと変わる。

 何?

 アリアは昼の出来事を説明した。
 アルバートは大きなため息を一つついた。そして
一言、すみません……とアリアに詫びた。

「白い悪魔とは、クルスの事です……」
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