記憶を失くした総長
それから20分後。
打ち上げが始まって2時間半のことだ。

___玲が麗華だったなんて、誰も、大和すらも気づいていない。

麗華に妹がいた事に驚きだが、瑞希ちゃんのあのあたりの強さはあの頃の麗華と重なる。
それに麗華にバレないようにやっているのが苛立ってしょうがない。


麗華の演技力は相変わらずなものでみんなに気づかれないように振舞っているのだろう。


麗華が何をしたいのかは分からないけどそれを俺は止めようとは思わないし、そんな資格はない。

___3時間の食べ飲み放題なので最後のスパートをかけ始めたみんなを見ながら麗華の横で大和と話していた時、お店のドアベルが新たな客を教える。

「こんばんは。」

身長はピンヒールを履いているので分からないが玲よりも少し高い、すらっとした女性 。
黒のワイシャツに暗いスキニーで長い髪を高いところでひとつにまとめている。

成「…どちら様ですか?」

「あぁ、私は、」
拓「遅せぇよ、渚沙。」
渚「……渚沙です。えっと、彼の許嫁です。」


「「「「「…は?」」」」」
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