記憶を失くした総長
桜哉side

飛び降りた華を追って俺たちは急いで階段を駆け下りる。
3階まで降りてきた時だった。

ドンッ

桜「いってぇ!てめぇ、どこ見て歩いて…」

そこにいたのは3年の如月瑠生。

雅「…す、すみません。」
瑠「…別に。なんかあったの。」
成「実は…。」

さっきあったことを成輝が簡単に説明した。

瑠「…ねえ。その女の子って…髪が白かった?」

なんで知ってんだ?

桜「…はい。ってすみません!もう行きます。」

瑠生先輩には悪いが、早く追わなくてはいけない。
俺たちは外への道を急いだ。
下駄箱から出たら、すぐに華を探す。

大「…いた。」

大和の指さすほうを見ると黒服の男が誰かを抱き上げている。
その時、白い髪が風に揺れ見えた。

桜「…待て!」

彼女だという確信を持っていた。
だが、男は歩みを止めない。

雅「先程はすみませんでした。桜哉のせいで怒ったのなら謝ります。」

ピタッ

男が言葉を待つように足を止める。

桜「…あれは、その…お前を助けるためにしょうがなくk 「…っ怒ってない!」

離れているのにここまで聞こえる声で叫ばれ俺達は静止してしまった。

「…雷華の姫とか興味無い。ほんとにもう関わらないで。…行こう。」

呟くように囁かれた言葉に俺たちは再び歩き出した男の背を見ていることしかできずにいた。

桜哉sideend
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