寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

慌てて追いかけて彼女を止めたものの、女性はそれをものともせずに来客中の部屋のドアを開け放った。
中にいた理玖さんが驚いて立ち上がる。


「エイミー……!?」

「理玖! 会いたかった!」


エイミーという女性はお客様がいるにもかかわらず立ち上がった理玖さんに抱きつき、大胆にもキスをした。
私はその場で棒立ちになってしまった。


「エイミー、場をわきまえろ」


理玖さんは小さい声で彼女を制し、お客様に向かい「申し訳ありません」と謝罪する。
彼女の背中を押し、理玖さんは「来客中だ」と部屋から閉め出した。

彼女は私を見て両手を広げて肩をすくめ、外国人がよくするようなリアクションをしてみせる。


「ここで待たせてもらってもいいですか?」


壁際に置かれたひとり掛け用の椅子を彼女が指差す。


「え、あ……」

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