寵愛命令~強引社長はウブな秘書を所望する~

「大口のクライアントのミヤコの娘さんと結婚ってどういうこと?」

「ミヤコの足立社長からそんな話は確かにあったみたいなんですけど……」

「……それじゃ本当だったんだ」

「でも、社長はお断りしたみたいです」


私の話を聞いて、沙智さんの顔がパッと明るくなる。


「そうなんだ。それを聞いて安心した。みんなが好き勝手なことを話してるからヤキモキしちゃって」

「好き勝手なことってなんですか?」

「やっぱりセレブはセレブ同士かって。お相手がすごく綺麗な人だから――って、ごめんね。今のは余計な話よね」


沙智さんはハッとしたような表情をしてから、申し訳なさそうに謝った。

みんなの言っていることは当然のことだし、私もそう思う。琢磨さんは、釣り合う釣り合わないなんてくだらないと言っていたけれど、それが世間一般の考え方なのだ。


「昨日、車に乗っていたお相手を見た人がいるんですか?」

「……あ、すごく綺麗だって話?」

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