きっと、ずっと、恋だった。
「あ、私だ」
カメラの小さな画面に映し出される、サーブを打つ時の私の姿。
茶色いボブの髪が太陽に透けて、自分ではなかなか見ない真剣な顔をしている。
…て、いうか。
私、すごく綺麗に撮れてない?
実物とはかなりの違いがあるくらい、なんて言うか、素敵な女の子みたいだ。
みんなに見せたら詐欺だって言われそう。
「…秋樹の目には、こんなに綺麗に映ってるの?」
なんだか照れくさくて、嬉しくて、これもまた冗談半分で秋樹に問いかければ、予想外の反応。
少し頬をピンクに染めて。
「え…俺にはいつも、こうやって見えてるけど」
そんなに違う?と不思議そうな顔で私の手元のカメラを覗き込む。
「っ、」
なんだ、それ。
不意打ち。反則。ずるい。
顔が近いし、思わせぶりだし、意味分からないよ。
…そんなわけない、そんなわけないんだけど。
秋樹の瞳には、私は、実物よりも可愛く映ってるのかもしれない。
そうだったら、嬉しいなあ。