きっと、ずっと、恋だった。
「っ…」
途端に顔を離して、そっぽを向いてしまった秋樹が、横を向いたまま。
「悪い、調子乗った」
なんて謝ってくるから、また怒れなくなっちゃうじゃないか。
「…頑張って、」
コートに向かう秋樹の意外と広い背中に、小さく呟いた。
まだ鳴り止まない心臓は、やっぱり水の中にいる時みたいに私の呼吸を邪魔する。
…ずるいなあ、私だって。
私だって秋樹を溺れさせたいのに。
秋樹は私のことどう思ってるんだろうとか、余計な期待してしまうじゃないか。