きっと、ずっと、恋だった。



「コウは何を後悔してるの?」


「もっと勉強しとけばよかったなあ、と」


「ええ、そんなこと?」


「大事なことだろ」




少し拗ねたみたいな顔するコウ。



「ていうかコウ、専門学校だから勉強してないじゃん」


「はは、バレた?」



なんだかうまくはぐらかされた気がする。

きっとコウの本当の後悔はこれじゃないって、そんな気がした。





「有沢の後悔は何なんだよ?」


「…私ももっと勉強すればよかった!」


「それ俺のだろ、パクんなよ」



あはは、って笑いながら教室に向かう。


きっと誰もが、それぞれの後悔を抱えているんだろう。


長いようで、短すぎるこの3年間の中で。



それぞれに悩んで、迷って、弱くて、進めなくて、諦めたり、捨てたりして。


ああすればよかった、こうしたかったって、今になってぐるぐる考えたって、今は何も変わらなくて。




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