ネイビーブルー
「真奈美、ミスド寄って帰ろ!!」
駅前のイオンに、確かミスドがあったはず。
「は?ミスドもらったじゃん。」
「どぉーーーしても、カスタードクリームが食べたい!」
「絶対、いや」と、拒否る真奈美を説得していると、
「マナカナちゃ~~ん!!」
どこからか、私たちを呼ぶ声が聞こえる。
きょろきょろと辺りを見渡すと、道路の向こう側でぶんぶん手を振ってるキンパツがいた。
声デカいから、周りに注目されてるし…
まじ恥ずかしいわ、この人。
「ばいばーい!」
良太くんまじうける~、と真奈美が手を振り返す。
「ばいばーい!!」
良太と、茶髪の大志も手を振ってる。
奥に見える黒髪のあの人が、一瞬こっちを向いた。
あっ。お礼!言わなきゃ。
ケーキ食べてくれて助かったって。
でも彼はすぐに前を向いて。
すたすたと行ってしまった。