ネイビーブルー


「で?」

「あのイケメンの集団は誰なの?」

当然、ミキとユイからは質問の嵐。


「キンパツの良太くん?
うち、めっちゃタイプなんだけど!!」

自分のことを"うち"と呼ぶのはユイ。


「あたし、あのボウズの野球部感がやばい!好き!!」

そうそう、ミキは野球部系男子がお好み。
野球部の頭、いつも触ってるよな…


「私、あの茶髪の大志くんだからね~」

私のモノよと言わんばかりの、真奈美。


えぇ~?
みんな、あぁいうヤンキーがタイプ?

チャラさ全面に出しすぎじゃない?
私、無理だなー…


「加奈は、雰囲気で嫌がってるでしょ。」


「うん、嫌だ。」

ってか、なんで嫌じゃないの?!
不思議なんですが!


「見た目派手なのは置いといても、まじイケメン!」

ユイ、顔が緩みっぱなし。

ていうか、そこは置いとけないでしょ。



「てかさ、今度8人で遊びたいよね?」

は?!


「あ、いいね~!
見事にタイプ、バラバラだし(笑)」


「真奈美、誰かの連絡先知ってる?」


「それが知らないんだよね~。あとで聞こうよ!」


いやいやいや!暴走しすぎ!!

「ちょっと待って?8人って、まさか私も…?」


「当ったり前じゃ~ん!」

ばしっと、嬉しそうなミキに肩を叩かれた。


「いや私、行かないし。」


「加奈の相手は、消去法でオレンジの人ね!」


「え、ぜっっったい、いや!!」

思わず声を張り上げる。


「ちょっと、加奈、静かに。みんな見てるよ」


真奈美に諭されて、辺りを見渡すと。

少し向こうで、くくっと笑う直哉と目が合った。

もー、さいあく…。


たくさんの中学生が体育館に入り終えると、ようやく説明会が始まった。
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