ネイビーブルー
中1の7月──
あれは、もうすぐ夏休みって頃だったかな。
昼休み、直哉に呼び出されたんだ。
「俺、小学ん時から加奈が好き…
だから俺と付き合ってほしい」
「うん、わた…」
わたしも好きって言おうとした時だった。
「はいはいは~い!そこまで~!」
ボス的存在の川田くんが、へらへらしながら出てきた。
あとに続く、たくさんの男子たち。
「ごめんね~!
別に直哉、お前のこと好きとかないから~!
本気にすんなって~。ドンマイ!」
そう言って川田くんは、私の肩にガッと腕を回した。
「……っ」
恥ずかしさと悔しさで涙が込み上げて来た私は、川田くんの腕を振り払って、その場から逃げるように走り出した。