ネイビーブルー

その時、ガラッと勢いよくドアが開いて。

中に入って来たのは、隣の席の高橋くんだった。


「あっ橘さん、バンドエイド貼れた?」


「え…?」


「さっき、結構血、出てたもんね。
バンドエイドもらって、教室戻ろ。」


ガサゴソと絆創膏を探した彼は、

「あった、あった~」って笑うと、

「じゃ、すみません、失礼しました~」

お姉様たちにペコッと頭を下げて、私の手を掴んだ。


「し、失礼しました」

私も慌てて頭を下げる。

高橋くんに引っ張られて、私はその場から抜け出した。

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