ネイビーブルー

「ね、真奈美。
高橋くんってかっこいいんだね」

帰り道、高橋くんの話をしてみた。


「あんた今さら?!
加奈、隣の席でいいなーって言ったじゃん」


「言ってたっけ?」


「言った言った!
ミキから聞いた話だと、北小で1、2を争う人気だったらしいよ。」


「そ…うなんだ。」

そんなに人気あったとは…


「加奈は、直哉しか興味ないもんね」


「直哉…」

一瞬で顔が曇る。


「直哉と何があったの?」


「なんか、嘘の告白してきた…」


「直哉が?嘘の?どういうこと?」


「告白されたあと、川田くんが出てきて、嘘でした~みたいな…」


「川田…
あいつ、本当に最低だわ」


「川田くんよりも、なんで直哉こんなことしたんだろ…」



あ、また涙が…


「私が明日、直哉にどういうつもりか聞いてくる。」


真奈美はそう言ってくれたけど。


「いや、いいよ…
もう、どうでもいい…」


真奈美やミキがいてくれたら、それでいいや。

その日は真奈美の家で、夕飯まで食べさせてもらった。



真奈美、ありがとう。

真奈美が一緒にいてくれて、本当に良かった。

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