ネイビーブルー
「じゃね~また明日!」
うきうきで桜子が帰って行く。
今日は彼氏とデートらしい。
彼氏が欲しいわけじゃないけど。
いつも以上に可愛い桜子見てたら、なんか羨ましくなる。
私も帰るかなぁ。
鞄を出して帰る準備をしていると、
「橘さん、連絡先教えてくれる?」
クラスの男子数人が、私の席にやってきた。
「あ、うん…」
慣れないことを言われ、あたふたと携帯を取り出す。
なるべく平静を装って、話したこともなかった男子と連絡先を交換した。
「橘さん、ありがとう!」
「あとでメールするね!」
男子たちは、そう口々に言って帰って行った。