Miss you・・・
「はい」
「あのじーさん、趣味はいいけど節操ないから。なあ?秀吉ー?」
「なんで俺にふるんすか、社長」
「じーさんと趣味似てるから?」
「俺は女囲ったり、とっかえひっかえする趣味ないっすけど」
「そうだったな。こう見えて秀は一途だから」
「社長。これは俺の面接じゃないだろ」
「そうだった。とにかく秀にくっついてれば、真由ちゃん安全だからね。ところでハックルベリーのオーナー、吉田さんのカノジョなんだよ」
「はい?」

『ハックルベリー』って確か、吉田さんたちと鉢合わせをした、蘇我さん好みのカフェレストランだよね。

「その情報覚えてたんだな、秀吉は」
「まさかあんなところで役に立つとは思ってなかったっすけど」
「え、まさか・・・」
「そ。わざとあそこで吉田のじじいと鉢合わせさせたんだろ?秀吉」
「吉田会長はあの日あそこに来ると、9割方踏んでたんで」
「策士だなあ、秀は」と言ってククッと笑う塩見さんと、「いつものことだろ」と平然と言ってる蘇我さんを、私は交互に見ることしかできなかった。
< 112 / 206 >

この作品をシェア

pagetop