Miss you・・・

その場に立ち止まった私を、蘇我さんが抱きしめた。

「ごめん。悪かった」
「なぜ笑ったんですか」
「真由美の突拍子もない考えがおかしかった」

え。今蘇我さん・・・真由美って・・・。

「でもまあ、そういう考えに行き着くのは、分からないこともないが。誰にも住所を言うなという意味は、言葉通りの意味だ」
「そう・・・ですか」
「俺もそうだし、社長も武臣（たけおみ）も、自宅の住所を誰にも知られたくないんだ。危険要素は少しでも排除しておきたいからな。だから社員名簿に俺たちの住所は載せてないし、社員の誰も知らないはずだ」

なるほど。
それは分かった。

そして蘇我さんの体が熱いってことも分かった。