Miss you・・・
病院までの道のりは長く感じたけど、実際は10分ほどで着いたと後で聞いた。
神谷さんが私の腕をつかんで、蘇我さんがいるところへ案内してくれた。

よかった。神谷さんが腕をつかんでくれていないと、私は倒れてしまいそうだ。
こんなところで意気地なしになってどうするの、私は!


VIPが泊まるような個室のドアには、「面会謝絶」の札がかけられていた。
思わず立ちすくむ私に、「大丈夫」と神谷さんは言ってドアをノックし、すぐに開けた。

蘇我さんは、少し起こされた状態のベッドにいた。
そして横に明がくっついていた。
周りには何人かいたけど、私には蘇我さんと明しか見えてなかった。

ダメ。泣いちゃダメ!
私はギュッと目をつぶって涙を止めると、蘇我さんのところへ一歩ずつ進んだ。
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