Miss you・・・
なめんなよ
そのとき明が私のくたびれたバッグから、携帯を取り出した。
そしてポケットから何かを取り出すと、それを見てどこかへかけだした。

「どこへかけてるの?」
「秀吉さんのところ」
「ちょ・・・ダメ!」と私は言って、明から携帯を取り上げようとしたけど、明は難なくそれをかわし、トイレへ行って中から鍵をかけてしまった。

な、何してるのよ・・・明。




明はすぐにトイレから出てきて、私に携帯を渡した。

「なんで蘇我さんに連絡したの!」
「お母さんに何かあったら、必ず俺に連絡しろって言われてたから。秀吉さん、10分でここに来るって」
「・・・え」

でも、どっちみに蘇我さんは、私たちの荷物を届けに、今日うちに来ることになっていたんだっけ。

『それ持って仕事場へ行くのか。そして明にはそのバッグを持って学校へ行かせる気か?』
『あ、いや・・・ロッカーにでも・・・』
『そんなことで金使うな。夕方俺が届ける』と決定事項のように言って、バッグを置いていかされたんだよね・・・。

私は携帯をにぎりしめて、畳にペタンと座り込んだ。

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