Miss you・・・
一生懸命生きている
私と明が蘇我邸に居候を始めて数日後。
明の学校が休みを迎えた週末の朝、蘇我さんは「今日はこれから出かけるぞ」と宣言した。

「どこ行くの?」と聞く明に、「おまえの机やクローゼットを買いに行く。あと服や靴もな」と蘇我さんが答えた。

「え、そんな・・・」と私がつぶやいた声は、「やったあ!今日は僕の日だあ!」と叫びながら、飛び上がって喜ぶ明の姿でかき消された。
そのまま突進してきた明を、蘇我さんは軽々と抱きとめると、「今度の休みに買いに行くって約束してただろ?」と、私と明に言った。

その顔は、「私たちに本気で関わる」と言っている。
観念した私は、「そうでしたね」と蘇我さんに言って微笑んだ。
< 78 / 206 >

この作品をシェア

pagetop