Miss you・・・
おそろいのマフラー
一旦荷物を車に置き、最後に一軒だけ寄りたいと言う蘇我さんについていくと、そこは有名なイギリスブランドのお店だった。

とても中に入れるような服装じゃないと判断した私は、明と一緒に、お店の近くにあるベンチで座って待っていた。

5分くらいで蘇我さんはお店から出てきた。
私は立ち上がって「早かったですね」と言った。

「ああ」と蘇我さんは言うと、お店の紙袋の中からマフラーを取り出して、私の首に巻きつけた。

「え・・・え?蘇我さん?」
「寒そうだったから。おまえ、冷え性だろ」
「まあ、そうですけど・・・」と私はつぶやくように言って、首に巻かれたマフラーをそっと触った。
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