Miss you・・・
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「明のことなんだが」
「はい、何か」
「俺さ、あいつにおまえを守れと言ったが、あいつも誰かに守ってもらうべきだと思うんだよ」
「はい・・・」と私はつぶやいて下を見た。

「おまえが役不足だとか、してないと言ってるんじゃない。おまえは明に十分愛情を注いでいるし、母親として守ってやれてる。だがおまえはずっと、母親と父親の二役をこなしてきたんだろ?おそらくだんなと別れるずっと前から」

そのとおりだ。
だから私は下を見たままうなずいた。

「おまえの元夫については、明から少し話を聞いた」

私は「え」と言って、思わず蘇我さんの顔を見た。

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