復讐劇は苦い恋の味
周囲を見回し、朋子にチラッと見せた。

すると彼女は目を見開き、不思議そうに私と写真を交互に見てくる。

「え、誰これ。この人がどうかしたの？」

首を傾げる朋子に、ボソッと言った。

「それ……中学時代の私なの」

「へ？　……えぇっ!!　嘘っ!?」

「本当」

予想以上のリアクションに苦笑い。

写真をバッグにしまい、目を瞬かせ私を凝視する朋子に話していった。


「私、中学生までずっと太っていたの。両親共働きで、甘やかされてきたから。いっぱい食べさせてもらっていてさ。……それでこの体重になっちゃったわけ」

けれど小学生までは太っていたって、誰にもバカにされなかったし、みんな普通に接してくれていた。

一クラスだけの和気あいあいとした小学校だったというのも、あるのかもしれない。

でも卒業し、複数の小学校の生徒が集まる中学校へ進学すると、私の環境はガラリと大きく変わったんだ。
< 20 / 293 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop