復讐劇は苦い恋の味
抱いた感情に笑ってしまった時、玄関のドアが開く音が聞こえてきた。程なくしてリビングに圭が入ってきた。

「あ、お帰り圭」

「ただいま」

そのまま圭はキッチンに来ると冷蔵庫の中から牛乳を取り出し、コップに注ぐことなく飲み出した。

「ちょっと圭、いつも言ってるでしょ? コップで飲んでって」

「いいじゃん、もうこれ残りわずかだったし」

飲み干すと圭は牛乳パックを水道で洗った。

「もう、そういうところ昔から変わらないんだから」

中学生の頃からずっとそうだった。

帰宅後、今みたいに着替えもせずにキッチンに来て牛乳を飲んでいた。

コップを使わず一気飲みすることもしばしば。

それは大人になっても変わらないから困る。

呆れていると圭はネクタイを緩めながら、鍋の中を覗き込んだ。

「やった、今日肉じゃがだ」

「だって圭が昨日リクエストしたじゃない。おかげで帰りに材料買いに行く羽目になっちゃったけど」

「しょうがねぇだろ? 姉ちゃんの作る肉じゃがが一番美味いんだから。なぁ、少し味見させてよ」

伸ばしてきた圭の手をペシッと叩いた。
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