復讐劇は苦い恋の味
「圭もそう思うでしょ? 美空ちゃんが好きな人と幸せになってくれたら、嬉しいわよね」

なんて叔母さんに言われた圭は、引きつる顔で「もちろん」と言うしかないよね。

叔母さんが帰宅後、再度圭に君嶋くんとのやり取りや彼の気持ち、そして私の気持ちを伝えた。

すると圭はブスッとした顔で「一回ちゃんと会わせて」と言ったんだ。

それでこうして四人で食事に来ているわけだけど……。

君嶋くんはすっかり叔母さんに捕まり、仕事の話まではじめてしまった。

そんなふたりに聞こえないよう声を潜め圭に言った。

「ちょっと圭、その顔やめてよ」

「その顔ってどんな顔だよ。具体的に話してくれないとわからないんだけど」

ひねくれたことを言う圭に怒りが込み上げる。

そもそも君嶋くんに会わせろって言ったのは圭なのに、挨拶もろくにしないでただ料理を食べるばかり。

君嶋くんもどう接したらいいのか困っていた。
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