復讐劇は苦い恋の味
でも離婚して再婚してからのお母さんは違った。

仕事を辞めて家庭に入り、家族で過ごす時間が増えて……。

なによりお母さんは毎日、すごく幸せそうだった。

「ねぇ……もしかして美空が男に興味がないのって、やっぱりその彼が原因なの?」

恐る恐る聞いてきた朋子に頷くと、彼女は「そっか」と力なく呟いた。


「高校の時、いくら女子校って言っても美空ってば奥手で、なんて恋愛に興味がない子なんだろうって不思議に思っていたけど、理由に納得。……そりゃトラウマになって男を好きになれなくなるよね」

「……うん。正直、男の人が怖くて。彼とは違うとわかっていても、どうしても思い出しちゃうんだ」

私だって高校時代、みんなの恋バナを聞いて憧れを抱いていた。私も彼氏がほしいって。

就職して結婚して出産までしちゃっている友達を見ると、ますますそう思う。

けれどその度にどうしても頭をよぎってしまうんだ。彼に言われた言葉、されたことの数々が。

「私……いつになったらトラウマを克服できるのかな。……このままじゃ一生ひとりで過ごすことになりそうで怖くて」

溜息と共に漏れた本音。
< 26 / 293 >

この作品をシェア

pagetop