忘れられない過ち

私は、柊都と会う約束をした。

「私たち、もう別れよっか」
私は彼にそう告げた。

柊都は、ものすごく動揺していたし、なぜ急に別れを告げられたのか分からないという様子だった。
でも、しばらく考え込んだ後、
「優南がそうしたいなら、もう別れよう」と言った。

そんな答えが聞きたいわけじゃなかった。
「優南がそうしたいなら」なんて言葉を求めていたのではない。
私は、柊都自身の意思を聞きたかった。
私がどうしたいかではなく、柊都がどうしたいかを聞きたかった。
でも、彼は最後の最後まで、自分の本心を見せてはくれなかった。





その瞬間、私たちはもう無理だと確信した。