15歳、今この瞬間を
きっと、リョウくんとのことを噂しているのだろうけど、あたしは転校してきた5月を思い出していた。

でも、ただ物珍しい目で見られていたあの頃とは違って、今は明らかに敵意を感じる視線ばかりだった。

だいぶクラスに馴染んできたあたしは、出来るだけ波風を立てたくなくて、周りの視線を無視し続けた。


「ふう」

始業式が終わり、教室の自分の席についたことで、あたしはやっと一息つけた。

久しぶりに浴びた、良くない視線だった。

「夢希、大丈夫か?」

「なにが…?」

「調子悪そうに見えたから……でも何でもないならいいんだ」

そう言うと佐久田くんは、大きなあくびをした。

「……」

不思議とあたしの真ん中あたりが、ぽかぽかとしてきた。


「はい、それじゃあ今から席替えをします」

あたしたちから集めた夏休みの宿題を教卓の上でパラパラと確認しながら、まっすーが言った。
< 134 / 287 >

この作品をシェア

pagetop