15歳、今この瞬間を
でも、他のクラスの体育委員の女子も担当しているから、あたしだけ嫌だとは言えなかった。

「大丈夫か?」

ふいに隣から声がして、その顔を見上げた。

青空をバックに、笑顔の佐久田くんがいた。

「無理するなよ」

「…大丈夫だし」

あたしはツンケンして答えた。

「はは、夢希らしいや」

「ありがとう佐久田くん!」なんてあたしが言うわけないでしょ。

でも、なんでかな…背中のカゴが、少し軽くなった気がしたのは。

競技が始まると、あたしたちカゴ係は逃げ回るのみ。

思ったより、しんどいな…。

カゴに入ってくるのは、よく玉入れに使われる小さなお手玉みたいなやつなんだけど、数が入ればどんどん重たくなっていく。

おまけにこの暑さで、体力もどんどん失われていくのがわかる。

しかもカゴに入らずに外れた玉は、容赦なく身体に当たる……もう最悪。

てかいつまで逃げ回ればいいんだ…足がもつれてきた……大丈夫かな、あたし。

「夢希!」

その声に、はっとした。

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