15歳、今この瞬間を
「…ふ」

「どうした?ロウ」

本当にオレは、このところ夢希のことばかり考えてるな。


その理由に、オレはとっくに気付いているはずだーーー自分自身の気持ちに。

どうしてもありさのことがチラついて、正直になりきれていない、夢希への気持ちに。

あれからもうすぐ、3年か…。


もう……いいか?

リョウ、ありさーーー…。


「リョウ……」

オレは、意を決して口を開いた。

「んー?」

「オレ、さ、夢希のことーー」

「その事なんだけどさ、ロウ」

オレが夢希への気持ちを打ち明けようとした時、なぜかリョウはそれを遮った。

そして、笑顔でこう言ったんだ。


「俺、夢希のことが好きだわ」

「……」

この一言で、オレはもう想いを口に出来なくなってしまった。


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