15歳、今この瞬間を
「悪いな」

そう言ったリョウからは、申し訳ない気持ちなど少しも感じなかった。

むしろオレは、身体中に重りを付けられた気分だった。

「そ…っか。そうなんだ……」

オレは、キャラに似合わず作り笑いなんかをしてみせた。


もう……言えない。

ありさにも言えなかった、好きだという気持ち。

オレは、夢希にも言えないのか……。

「夏祭りの時にでも告ろっかなー…。ロウも協力してくれるだろ?」

「……夏祭りか。そうだな」


これは、きっと罰。

ありさとリョウにしてしまったことの、オレへの罰なんだ。

そして、今でもリョウに秘密にしていることがある。

それは、罪かもしれないーー。


オレは、自分の気持ちをしまい込もうと決めた。

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