全て美味しく頂きます。
 言われて辺りを見回せば,ピンク系のあからさまに派手なインテリア。
 ここはつまり,ファッショナブルでえっちいホテル。
 ゴソゴソと服を着込んでいる祥善寺を尻目に,私は恐る恐る自分の姿を確認した。

 何と!
 私はくらくらと眩暈を感じ、その場にへたり込んでしまった。
 今の自分,ツルツルサテンのやたらと短いホテルのガウンに下着のみ。

 これはつまり…

「あの…祥善寺…さん。一つ確認したいのですが」
「何だよ、急にかしこまって」

「えっと,よく覚えてないんですが,昨夜一体,私たちの間にナニがあったのでしょう?」

 ワイシャツのボタンを留めていた手がピタリと止まった。

「…見れば…わかるだろう」

「あー…やっぱり?デスヨネーー,アハハ~」

 力なく笑いながらも,私はガンガンと痛む頭を回転させ、昨夜の記憶を思い出そうとした。
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