愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。

だけどそれはあくまでも周りが勝手に言ってる意見であって、コウさん本人から聞いた訳じゃないから本当のところは分からない。

それでもあそこまで皆に煽られたら、いくら鈍感な私でもさすがに意識ぐらいしちゃうもん。


皆の言葉に翻弄されっぱなしだよ…

懲りずにまたポッと顔を赤らめていたら、目の前のローテブルの上に突然白い箱がコトっと置かれた。

ハッとした私は目をパチクリしてそこへ視線を向ける。


「一緒に飲み直すか?」


そのまま顔を上げると片手にワインを持ったコウさんが得意気な顔でそんなことを言う。


「たまにはこういのもいいだろ」


白い箱の中身は5号サイズのケーキだった。

上には旬の苺が乗っており、他にも桃や林檎、キュウイフルーツやバナナなどがふんだんに使っていて彩り綺麗なフルーツタルトだ。

それを見た私は当たり前だけど目を輝かせる。

それだけじゃない。他にも生ハムやサラダまで用意されていくのを見て、ビックリしてまじまじと歓喜の声を上げた。


「すご…、どうしたんですか?これ」

「ん、たまにはな」


なんてコウさんはクールにイカしたことを言うけれど、一瞬はてなマークが浮かぶ。

当然ビックリしながらも、コウさんはそれ以上なにも言わないし、再びテーブルに目を移した私はやっぱり目の前の料理に釘付けになる。
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