愛情の鎖 「番外編」〜すれ違いは蜜の味〜。

やく2ヶ月ほど前に私達はまた再開した。

それは私が宗一郎さんから解放され、自分の家に戻ってきてすぐの頃だった。

岡田慎一(おかだ しんいち)こと、通称慎ちゃんもまた同じ。短い結婚生活から解放され出戻ってきたところだった。

聞けばビックリ、結婚生活は1年ももたず半年足らずで終わりを迎えたらしいのだけど、彼は「振られちゃったよ」なんてけっこう明るく振る舞っている。

最初こそ聞いた時は心配し、ビックリしたけれど、当の本人は案外ケロッとしている。

もしかしたらそれは空元気というやつかもしれないけれど、私の前ではいつも笑顔だし、私も変な気はつかわず普通の態度で接することに心掛けている。


「せっかくの日曜日なのに無理言ってごめんね」

「別にいいよ。今日は特に予定もないし、むしろどうやって暇を潰そうか迷ってたから」

「でも仕事は?弁護士さんってけっこう忙しいんじゃないの?」


驚くことがもう1つ。

この3年の間でなんと彼は弁護士になっていた。

この辺じゃ有名な大手弁護士事務所に所属していて毎日慌ただしい生活を送ってるみたい。


「まぁね、それなりにって言いたいところだけどまだ新米弁護士だからさ、どっちかっていうと先輩の補佐とか雑務業務のほうがほとんどだけど」

「それでもすごいよ!」


私には絶対なれっこない職業。

そう簡単になれるもんじゃないし、尊敬できる職業だもん。
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