赤い刻印 - Secret Love -
やっぱりおばあちゃんには頭が上がらないようだ。
おばあちゃんを前にすると先生は急に可愛くなる。
いつもこんな感じなら生徒からもっと人気が出るのに。


「先生」

おばあちゃんがリビングに行ったことを確認して、私は先生の腕を引っ張っぱる。

「今日ここに来たのはね、これを絵梨に頼まれて…」

バッグの中から綺麗にラッピングされた箱を取り出した。

「絵梨って山川絵梨?」
「そうそう。誕生日プレゼント、確かに渡したからね!」
「あー。今日俺の誕生日か」
「…」

何とぼけたフリしてんの?
さっき女子生徒からプレゼントもらっていたくせに。

「山川も学校でくれればいいのにな」
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